ディジタル信号処理


ディジタル信号処理とは?

 ディジタル信号処理とは、乱暴に言うと、 コンピュータで音声や音楽を処理しようというものです。 処理の流れを下図に示します。 実世界の音声や音楽はアナログ信号であり、 時間も振幅も連続値になります。 一方、コンピュータが扱うのは「数値」ですから、 時間も振幅も離散値になります。 そのため、処理する前に時間と振幅を離散化する必要があります。 また、処理した結果を連続値に戻す必要もあります。

Flow
ディジタル信号処理の流れ


各段階の波形

Waveform of Analog Input
アナログ入力信号

 アナログ信号は、まず、 低域通過フィルタ (Low-Pass Filter, LPF) で帯域制限されます。 なぜ帯域制限が必要なのかは、 後で説明します。

Sampled Input
サンプリング後の入力信号

 アナログ信号は、一定の時間間隔Tでサンプリングされます。 これはアナログ信号s(t) (tは実数) からs(nT) (nは整数) を取り出す作業です。

Digitized Input
量子化後の入力信号

 次に、振幅方向を離散化します。 連続値であった振幅を、Qの倍数で近似します。 これを量子化と呼びます。 この時に誤差が発生します。 この段階では、入力信号は単なる数値列になり、 コンピュータで処理できるようになります。

Digital Output
ディジタル処理された出力信号

 処理結果です。これも数値列です。

Sampled Output
逆量子化後の出力信号

 振幅を連続値にします。

Analog Output
アナログ出力信号

 時間を連続値に戻して、アナログの出力信号を得ます。


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