Spurs Engineは、 Sony Computer Entertainment, 東芝, IBMの Cell Broadband Engine (Cell BE) をベースとして、 東芝が開発した画像処理用プロセッサです。 Cell BEはPlay Station 3のプロセッサとして有名ですが、 スーパーコンピュータの性能ランキング「TOP500」の2008年6月版で 第1位になった IBMのRoadrunnerにも使われています。
Spurs Engineは、 Synergistic Processing Element (SPE) と呼ばれるプロセッサを4個、 MPEG-2とH.264のデコーダとエンコーダ、 制御用のSPE Control Processor (SCP)等を搭載しています。 Spurs Engineで数値計算を行う場合、中心となるのは4個のSPEです。 Cell BEとの大きな違いは、SPEの数が半分であること、 動画像の符号化・復号用のハードウェアを搭載していることです。 動画像の符号化・復号はハードウェアで行い、 画像処理をSPEのプログラムで行うことを想定しています。
1個のSPEで、 32bit浮動小数点データ (C言語ではfloat型) に対する積和演算 (A×B+C) を4組同時に実行できます。 SPEのCPUが直接読み書きできるメモリは256KBのLocal Store (LS) だけです。 Spurs Engineには128MBのメモリが接続されていますが、 このメモリを直接読み書きすることはできません。 DMAで転送します。